不動産会社はライフワークバランスを大事にできる?【結論:無理】

「ライフワークバランス」という言葉、最近よく耳にしますよね。
福利厚生や時短勤務、副業解禁など、さまざまな業界で働き方改革が進む中、不動産業界にも少しずつその流れがやってきています。
とはいえ、現場で働く営業マンの多くは心のどこかでこう思っているはずです。
「本当にバランスなんて取れるの?」
今回は、私自身が不動産営業として働いた経験をもとに、「不動産業界でライフワークバランスを実現できるのか」というリアルをお伝えします。
結論:不動産業界に最初からライフワークバランスを求めるのは厳しい
先に結論を言ってしまうと、正直、最初からライフワークバランスを求めるのは無理です。
不動産業界の最大の魅力は「成果次第で高収入が狙えること」ですが、その代わり、時間と体力をフルに使う必要があるのです。
多くの不動産会社では「基本給+インセンティブ制」を採用しています。
つまり、頑張り次第で収入が跳ね上がる一方で、結果が出ないと給与はほぼ変わりません。
「働いた分だけ稼げる」というのは確かに魅力的ですが、裏を返せば「働かなければ稼げない」という意味でもあります。
この構造の中で「プライベートを優先したい」と考えるのは、現実的に難しいのです。
不動産営業が“時間に追われる”根本的な理由
では、なぜ不動産営業はそんなに忙しいのか。
それは、お客様の都合がすべてだからです。
不動産営業の相手は、ほとんどが一般の個人。
仕事をしている方が多く、連絡が取れるのは夜や休日に限られます。
たとえば、
こういった出来事が、珍しくもなんともありません。
「定時だから帰ります」と言っていたら、チャンスを逃してしまうため、結果を出したい営業ほど、お客様に合わせて動くのが日常になります。
商談が夜・休日に集中する不動産営業現場のリアル
私が営業をしていた頃も、夜の内見や契約は当たり前でした。
特に土日はフル稼働。気づけば週に1度しか家で夕飯を食べない生活をしていた時期もあります。
もちろん大変です。でも、お客様から「あなたにお願いしてよかった」と言われた瞬間、その疲れは吹き飛びました。
だからこそ、多くの営業が「きつい」と言いながらも、この仕事を続けているのです。
とはいえ、誰にでもできる働き方ではありません。夜遅くや休日の対応がストレスに感じる人には、正直きつい環境でしょう。
不動産営業は成果が出なければ「お荷物扱い」になる現実
不動産会社では、結果がすべてです。
基本給が低い分、契約がなければ収入も少ない。
それだけでなく、会社の中での立場もどんどん弱くなります。
「〇件契約した営業」と「0件の営業」では、扱われ方がまったく違うんです。
私が新人の頃、数か月契約が取れず、会議の空気が凍るような日々を経験しました。
上司に呼び出されて叱責され、他のメンバーの視線も痛かった。
あのときは、毎日が胃の痛くなるようなプレッシャーでした。
努力しても結果が出ない時期はあります。
ただ、数字が評価の基準である以上、「成果が出ない=お荷物扱い」は避けられないのが現実です。
ライフワークバランスは“結果を出した人”だけが手にできる
とはいえ、ずっとブラックな働き方を続けなければならないわけではありません。
実は、不動産業界で自由を手にできる人も確かに存在します。
その共通点は、「結果を出していること」。
売上を上げる人には、自然と裁量が与えられます。
たとえば、
これらは“会社が与える特権”ではなく、“自分で勝ち取る自由”です。
結果を出せば、働き方を自分でデザインできるようになります。
つまり、ライフワークバランスは最初から与えられるものではなく、自分でつかみ取るものなんです。
不動産業界で“少しでもバランスを保つ”ためのヒント
ライフワークバランスを全てを犠牲にして働くのは続きません。
私自身、体を壊しかけた経験があります。そこで、私が実践していた“バランスの取り方”をいくつか紹介します。
まず、スケジュール管理を徹底すること。
朝に「今日動く案件」「明日に回す案件」を整理するだけでも、時間の使い方が変わります。
また、チームで案件を共有する環境がある会社を選ぶのも大切です。
個人プレーよりも、サポート体制のある職場なら無理を減らせます。
さらに、会社選びの時点で評価基準を確認しておくのもポイントです。
契約件数だけでなく、接客態度や顧客満足も評価される会社なら、成果以外の部分でもバランスを取りやすくなります。
ほんの小さな意識の違いが、心の余裕につながります。
不動産業界のワークライフバランスに関するよくある誤解
「残業が多い=ブラック」と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
長時間働いているように見えても、実際には顧客対応の時間を自分の判断で調整している営業もいます。
また、「休日出勤=悪」という考え方も少し違います。
お客様に合わせて働くことが、そのまま契約チャンスにつながる。
その分、平日に代休を取るなど、柔軟に働いている人も多いです。
最近では、不動産テックの導入で効率化が進んでいる会社も増えています。
オンライン商談や電子契約が普及したことで、移動時間を減らす工夫もできるようになりました。
少しずつですが、「頑張り方を選べる」時代に変わりつつあります。
まとめ:ライフワークバランスは会社が与えるものではなく、自分でつかむもの
不動産業界でライフワークバランスを取るのは簡単ではありません。
最初から「プライベート優先」で入ると、理想と現実のギャップに苦しむ人も多いでしょう。
けれど、覚悟を持って結果を出せば、自由な働き方を選べるようになります。
「やるべきことをやる」その先に、自分の時間と裁量が待っています。
私が伝えたいのは、「不動産営業は決してブラックなだけの仕事ではない」ということ。
努力が報われる瞬間が、確かにあります。
だからこそ、これからこの業界を目指す方には、こう伝えたい。
ライフワークバランスは、与えられるものではなく、自分で勝ち取るもの。
もしその覚悟があるなら、不動産業界は人生を変えるほどの魅力を持つ仕事ですよ。

