不動産会社のよくある退職理由5選

不動産業界は、離職率が高いことで知られています。
華やかに見える一方で、その裏側には多くの葛藤や悩みが潜んでいるのも事実です。
今回は、実際に不動産会社を退職した方5名へのヒアリングをもとに、「なぜ辞めたのか?」「退職理由は何だったのか?」をリアルに掘り下げてご紹介します。
よくある不動産会社の退職理由5選
ひとつずつ見ていきましょう。
① 上司のパワハラで限界に達した
今回のヒアリングで最も多く聞かれたのが、「パワハラに耐えきれなくなった」という理由です。
不動産営業は結果至上主義。数字が上がらないと、精神的に追い詰められるような指導が日常的に行われているケースもあります。
たとえば、
など、指導の名を借りたパワハラは今なお根深く残っています。
もちろん、すべてが「上司のせい」ではありませんが、誰が上司になるかで職場環境は大きく変わります。
どんな上司がいるかは、外からではなかなか分かりません。転職前に口コミサイトなどで社風をリサーチしておくのは必須です。
② 成績が振るわず、社内で孤立
不動産営業において、数字=価値。結果が出なければ、評価も信頼も得られません。
周囲が成績を上げている中で、自分だけ売れない状況が続くと、精神的に追い込まれていきます。
- 先輩や後輩に見下されていると感じる
- 上司から「給料泥棒」と言われる
- 毎朝出社するのが憂うつ
そんな声も多く聞かれました。
完全歩合制の会社では、数字が出なければ給与がゼロに近くなるだけで、怒られることはありません。ただし、生活できない現実が待っています。
③ 将来が見えず、不安になった
不動産営業のキャリアは、会社によっては「ずっと営業マンのまま」というケースが多いです。
たとえば、
など、将来的な不安を感じて退職を決断する人も少なくありません。
「このまま年を取っても、何が残るんだろう?」と悩み始めたら、キャリアの見直しどきかもしれません。
④ プライベートと両立できなかった
不動産業界は「土日が繁忙・夜が商談タイム」といった性質上、生活リズムが他業界と大きく異なります。
家族やパートナーとの時間を大切にしたいと考えるようになると、徐々に業界へのミスマッチを感じるようになります。
特に、結婚や出産といったライフイベントを機に、「この働き方はもう続けられない」と感じて転職を決意する人が多い印象です。
⑤ 給与・待遇に納得できなかった
不動産業界は「稼げる仕事」として知られていますが、実際には会社によって歩合率や評価制度が大きく異なります。
- 「これだけ契約を取ったのに、手取りはこれだけ?」
- 「インセンティブが思ったより少ない…」
そんなギャップに不満を抱き、より条件の良い会社へ転職するケースも多々あります。
また、営業手当がつかない、残業代が出ないなどの待遇面での不満から退職を選ぶ人も少なくありません。
【番外編】不祥事を起こしてクビになったケースも…
実は、不動産業界にはコンプライアンス違反で解雇される事例も存在します。
たとえば、
など。悪質なケースでは、訴訟に発展することもあります。
正直にまじめに仕事をしていれば関係ない話ですが、「1件の契約」に目がくらむと、道を踏み外す人もいるのが現実です。
不動産会社を辞めた人の転職先は?
不動産会社を退職した後、転職先は大きく2つに分かれます。
① 業界を変える人(不動産→他業界)
「もう不動産業界には戻りたくない」と考える人は、営業スキルを活かして異業種へチャレンジします。
たとえば、
などに転職する人が多く見られます。
② 業界内でキャリアアップ(不動産→別の不動産会社)
一方で、不動産業界に対して前向きな人は、「もっと働きやすい会社」や「キャリアパスのある企業」への転職を選びます。
など、「不動産営業を続けたいけど、環境を変えたい」という志向です。
自分の市場価値を知っておくことが大切
いずれにせよ、転職を成功させるためには「自分の市場価値を正しく知る」ことが欠かせません。
- 今の経験が他社・他業界で通用するのか?
- いまの年収は妥当か?
このあたりをしっかり把握したうえで動かないと、「転職して後悔…」というパターンになりかねません。
無料で市場価値を測れる診断サービスなども活用して、客観的な視点を持つようにしましょう。
まとめ|退職は悪いことではないが「次」が大切
不動産会社を辞めた理由は人それぞれですが、共通して言えるのは「環境が合わなかった」「理想と現実にギャップがあった」ということ。
退職そのものは決してネガティブなことではありません。
しかし、何も考えずに辞めてしまうと、次の職場でも同じ問題を繰り返してしまいます。
だからこそ、今の自分の価値や希望を明確にし、戦略的にキャリアを築いていくことが大切です。
「このままでいいのか…?」と悩んでいる方は、一度立ち止まって自分自身を見つめ直してみてください。



