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不動産競売の仕事内容と年収を徹底解説!

不動産競売の仕事内容と年収を徹底解説!
  • 「競売物件って聞いたことあるけど、実際どんな仕事なの?」
  • 「不動産競売って稼げるの?」

不動産業界の中でもニッチで専門性の高い分野である「不動産競売業」。

聞きなじみはあっても、実際にどんな働き方なのかはなかなかイメージしづらいですよね。

今回は、不動産競売の仕事内容や年収、働くメリット・デメリットまで、現場のリアルを交えて詳しくご紹介していきます。

不動産競売の仕事内容とは?

不動産競売業は、「競売で安く仕入れて再販する」ビジネスモデルです。

よくある不動産買取業者と似ていますが、大きな違いは「仕入れ先」が裁判所だという点です。

仕入れ先
不動産競売業者裁判所が公開する競売情報から仕入れ
不動産買取業者仲介会社経由で仕入れ

競売物件とは、住宅ローンなどの返済が滞ったことで差し押さえられた不動産。

債権者(銀行など)が債権回収のために裁判所へ申し立てを行い、市場に競売として出される仕組みです。

競売情報は「裁判所の執行官室」や「BIT(不動産競売物件情報サイト)」などで確認できます。

仕事の流れ(ざっくり)

  1. 裁判所で競売情報を収集
  2. 物件を精査(立地・権利・状態など)
  3. 入札額を決定し、入札に参加
  4. 落札したら名義変更・必要に応じてリフォーム
  5. 販売活動(ポータルサイト掲載や営業活動)
  6. 購入希望者との商談~契約~引き渡し

このように「競売仕入れ+再販」が基本的なビジネスモデルです。

不動産競売で求められる力とは?

この仕事で最も重要なのは「仕入れ力=目利き力」です。

競売物件は、内覧できないことも多く、室内写真や書面から状態を判断する必要があります。

また、権利関係(抵当権、使用者、賃借人の有無など)にも精通していないとトラブルに発展しかねません。

競売は入札制

自分が想定する利益を確保できるよう、他の入札者との競争を見越した価格設定も必要になります。

荒川
ミカタ不動産転職

つまり、不動産や法務の知識はもちろん、リスクを見抜く洞察力や判断力が求められる仕事です。

不動産競売で働くメリット

① 営業・集客が不要

一般の売買仲介や買取再販と違い、「売主を探す」という営業活動がありません。

競売情報は裁判所が公開しているので、自分で「探す・選ぶ」スタイルです。

営業やテレアポが苦手な人にとっては、かなり働きやすい環境です。

② 専門性が高くスキルが身に付く

競売業に必要な知識は、通常の不動産営業よりも圧倒的に広く深いです。

  • 法的知識(強制執行、立ち退きなど)
  • 不動産調査力(権利関係、物件状況)
  • 売却想定価格の見極め力
  • トラブル回避のノウハウ

こうしたスキルは、業界内での市場価値も高く、キャリアの幅を広げてくれます。

③ 個人の裁量で仕事ができる

企業によっては再販までを他部署や他社に委託して、仕入れに特化しているところもあります。

自分の“目利き”さえあれば、比較的自由なスタイルで仕事ができるのも特徴です。

不動産競売のデメリット・課題

① 仕入れの安定性がない

最大の課題は「仕入れが不安定」ということ。

競売物件は、ローン延滞や倒産などに伴って発生するため、景気や社会情勢に左右されます。

また、物件数は常に一定ではなく、「仕入れる物件がない」時期も珍しくありません。

② 一般人も参入しやすくなった

以前は競売物件はプロの専売特許のようなものでしたが、現在は情報公開が進み、個人投資家も簡単に参加できるようになりました。

その結果、競争が激化し、昔のように「激安で仕入れて利益爆増!」というスタイルは通用しにくくなっています。

③ 高い参入障壁

不動産営業経験がある人でも、競売業への転職は簡単ではありません。

実務経験や知識がないと扱えない物件が多いため、即戦力が求められます。

また、取り扱いには法的責任も絡むため、失敗すれば大きな損失を抱えるリスクもあります。

不動産競売の年収はどのくらい?

不動産競売業の年収は、かなり“ピンキリ”です。

企業として競売を専門にしている会社は少なく、むしろ個人レベルで行っているケースが多い業界です。

会社勤めとしてやる場合でも、ベースは固定給+インセンティブというスタイルがほとんど。

収入の実態

  • 仕入れが当たれば利益率30~40%もあり得る
  • ただし、落札できなければゼロ
  • 競争が激化しており、利益は年々薄くなっている

昔は「1件仕入れて1000万円利益」ということもありましたが、現在はそんなにうまくはいきません。

仕入れ・販売・価格設定など、すべてが上手く噛み合って初めて利益になる、ハイリスク・ハイリターン型のビジネスです。

主要な不動産競売業者はある?

結論から言うと、「不動産競売のみ」を専門でやっている大手企業は存在しません。

その理由は、以下の通りです。

  • 市場規模が大きくない
  • 案件数が不安定
  • 個人参加の増加で利益が薄利化
  • 仕入れ担当1人いれば成立するため、大規模化が難しい

そのため、法人でやる場合は「買取再販」や「任意売却」などを組み合わせて、事業として成り立たせているケースが多いです。

まとめ|不動産競売は“極めたい人向け”の専門職

不動産競売業は、不動産業界の中でもかなりマニアックで専門性の高い領域です。

項目内容
仕事内容競売物件の仕入れ~再販
メリット営業不要/専門スキルが身につく
デメリット案件の不安定さ/競争激化/参入障壁
年収不明(実力次第)
主要企業特定の大手なし

一見ニッチで稼げそうにも思えますが、現在は競争も激しく、参入すればすぐに稼げるというものではありません。

とはいえ、「仕入れ力」「法務知識」「相場感」といったスキルを極めたい方にとっては、非常に鍛えられる仕事です。

興味がある方は、まずは不動産買取や仲介での経験を積みつつ、競売物件の情報に触れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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