不動産仲介会社がブラックになりやすい3つの原因を考えてみた

不動産仲介会社というと、どこかブラックなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
浅黒くて筋肉質な営業マンが強引に勧誘してきたり、しつこく電話をかけてきたり──
そんな印象が先行して、業界未経験の方には少し敬遠されがちな業種でもあります。
今回は「なぜ不動産仲介会社がブラック企業になりやすいのか?」というテーマで、業界の構造や背景をもとに考察していきます。
不動産仲介会社がブラックになりやすい本質的な理由
仲介手数料だけが主な収入源
不動産仲介会社のビジネスモデルの多くは、仲介手数料だけが収入源になっています。
これは、物件の売買契約が成立して初めてお金が入るという仕組み。言い換えれば、成約できなければゼロ収入ということです。
そのため、営業社員は常に「契約を取らなければ給与が減る」というプレッシャーのなかで働いています。
会社側も毎月ゼロからスタートするような収支構造で、社員に対して強いノルマや詰め文化が生まれやすいのです。
この「成果がすべて」の空気感が、ブラック体質を生み出す最大の原因といえます。
不動産仲介会社ブラック化しやすい3つの構造的な問題
1. マーケティングの意識が薄い会社が多い
不動産仲介業界では、Webマーケティングや戦略的な集客の意識がまだまだ薄い企業が多いのが現状です。
こういった「足で稼ぐ」文化が根強く残っているため、営業マンへの依存度が非常に高くなります。
現代ではSNSやYouTube、ポータルサイト、自社サイトなど、多様なチャネルを活用した集客が可能です。
こうしたデジタルマーケティングを取り入れていない会社では、営業が数字を出せないと、途端に“サボっている”と見なされてしまいます。
結果、精神的にも肉体的にもハードな働き方を強いられることになりがちです。
2. 連絡が深夜・休日に偏る
不動産購入を検討するお客様の多くは、日中は仕事をしているため、連絡がつくのは夜や休日が中心です。
特に売買仲介では「週末の内見対応」「夜の契約書類確認」「電話での条件調整」などが頻繁に発生します。
このようなBtoC業界の特性上、どうしても時間外労働が当たり前になりやすく、長時間労働になりがちです。
もちろん、代休や有休がしっかり取れる会社であれば問題ありませんが、制度が形骸化している会社も多く、疲弊して離職につながるケースも見られます。
3. 人手が少なく、一人当たりの負荷が大きい
不動産業界には全国で約12万社の宅建業者が存在します。
そのうち従業員5人以下の小規模企業が約85%を占めています。
つまり、圧倒的に人手不足の会社が多く、少数精鋭どころか“一人何役”を求められることもあります。
営業・事務・物件確認・契約書類・引き渡し対応まで全部やるのが当たり前という会社も少なくありません。
その中で「数字が上がらない=怠けている」という評価になり、パワハラ的な詰め文化や精神論が横行しやすいのです。
不動産仲介会社がホワイト化するために必要なこと
「ブラックな不動産仲介会社が多い」とはいっても、すべてがそうではありません。
以下のような特徴を持つ会社は、ブラック化しにくい傾向にあります。
こうした仕組みが整っている企業は、結果的に社員満足度も高く、定着率も上がっています。
口コミサイトなどで内部情報を活用して会社の実態を見極めよう
転職を考えている方にとって、「求人票に書いてあること」はあくまで“表の顔”です。
ブラック企業を避けるためには、口コミサイトでの調査や現社員の声を確認することが必須です。
たとえば、企業口コミサイト「キャリコネ」では、実際の労働時間や残業の実態、昇給・評価制度などの情報がチェックできます。
ほとんどの不動産会社が掲載されており、無料で利用できるのが魅力です。
公式:https://careerconnection.jp
まとめ:不動産仲介=ブラックではない。自分に合う会社を選ぼう
不動産仲介会社がブラックになりやすい主な理由は以下の通りです。
とはいえ、すべての会社がブラックなわけではありません。
しっかりとした労働環境や評価制度を整え、マーケティングにも力を入れている会社も確実に存在します。
重要なのは、「自分がどう働きたいか」を明確にし、その軸に合った企業を選ぶこと。
安定を求めるのか、高収入を目指すのか、自由な働き方をしたいのか
価値観に合う会社を見つけることが、後悔のない転職につながります。
「不動産仲介だからブラック」と決めつけず、まずは情報を集め、自分にとっての“ホワイト企業”を見つけていきましょう。

