不動産営業にとって「稼げる会社」と「稼げない会社」の違いは?

同じ「不動産営業」という職種でも、年収が倍以上違うことがあります。
同じように電話をして、同じように案内しているのに、なぜこんな差が生まれるのでしょうか。
実はその答えは「営業力」ではなく、「会社の仕組みと環境」にあることが多いんです。
この記事では、不動産営業で“本当に稼げる会社”と“稼げない会社”の違いを、現場のリアルを交えて解説します。
不動産営業で「稼げる会社」と「稼げない会社」は何が違うのか?
こんな疑問を持ったことはありませんか?
「自分より頑張っていない同僚のほうが年収が高い」
「なぜか毎月契約が続く人と、伸び悩む人がいる」
この差の正体は、個人の能力よりも環境要因です。
インセンティブ制度、集客方法、マネジメントの質――これらが整っている会社は、自然と成果が出やすい仕組みになっています。
つまり「売れる環境=稼げる会社」、「属人的な営業=稼げない会社」。
努力の方向を間違えないためにも、まずはその構造的な違いを理解しておく必要があります。
「稼げる不動産会社」に共通する3つの特徴
1. 成果に直結する明確なインセンティブ制度がある
「契約1本で歩合20〜30%」というように、成果が給与に直結している会社はモチベーションが維持しやすいです。
反対に、インセンティブが低い会社では、どれだけ契約しても給与がほとんど変わりません。
たとえば同じ月5件契約でも、A社では月収120万円、B社では45万円。
こうした報酬制度の差が、長期的な成長意欲にも大きく影響します。
2. 売りやすい商材・集客導線が整っている
稼げる営業マンほど「いい案件を扱える会社」にいます。
広告費をかけて反響を取っている、問い合わせからの成約率が高い、ブランド認知がある――。
こうした会社は、営業が本来やるべき“提案活動”に集中できる環境です。
一方で、飛び込みやテレアポばかりの会社では、時間の8割が「案件づくり」に費やされます。
効率が悪く、体力的にもメンタル的にも消耗しやすいのが特徴です。
3. 上司や先輩が“数字の管理”より“成約のサポート”をしてくれる
稼げる会社は、マネジメントや育成に力を入れています。
契約に至るまでのプロセスを一緒に分析したり、案件同行でトークを磨く機会を作ってくれたり。
「数字を詰めるだけ」の上司とは真逆で、結果を出すための“仕組みの支援”があるのがポイントです。
「稼げない不動産会社」にありがちな環境
1. 固定給が高くてもインセンティブが極端に低い
「うちは固定給25万円あるよ」と言われると安心しますが、インセンティブが1件1万円程度しかないケースも。
これではどれだけ契約しても上限が決まってしまいます。
短期的な安定は得られても、努力が報われにくい仕組みです。
2. 飛び込み・テレアポ中心で効率が悪い
反響営業が主流の今、いまだに“根性営業”を続けている会社もあります。
たしかに経験値にはなりますが、長期的に成果を出し続けるには非効率。
「1日100件電話したのにアポゼロ」なんて日が続くと、心が折れてしまう人も多いです。
3. 社内競争が激しく、フォロー体制が機能していない
数字を取り合う雰囲気の中では、情報共有やチーム連携が生まれません。
結果、営業スキルも個人任せで、成長スピードが遅くなります。
「一人でやらされている感」が強い会社ほど離職率が高いのも特徴です。
実際に年収1,000万円を超える営業マンがいる会社の仕組み
稼げる会社は、再現性のある営業モデルを持っています。
たとえば
- 反響営業型で顧客の入り口が安定している。
- 個人ノルマではなくチームで目標を共有し、案件を協力して進める。
- 契約〜引き渡しまでの分業が明確で、営業が「売ること」に集中できる。
こうした会社では、営業1年目でも年収600万円以上を目指せます。
一方で、仕組みが整っていない会社では、同じ努力でも300万円程度にとどまることも。
営業力より「どの環境にいるか」で、結果が2倍にも3倍にも変わるのです。
会社選びで見落としがちな“稼げる環境”の条件
意外と見落とされがちなのが、「商圏」「ブランド」「教育」の3点です。
まず、営業エリア。
都市部か地方かで契約単価がまったく違います。
次にブランド力。
認知度の高い会社ほど、問い合わせの質が高く、商談がスムーズです。
そして教育体制。
新人研修やロープレ、同行制度がある会社は、未経験でも成果が出やすい傾向にあります。
「環境に投資してくれる会社」こそ、長期的に稼げる会社なのです。
求人票では見抜けない「稼げない会社」のサイン
求人票には良いことばかり書かれています。
「アットホームな職場」「頑張り次第で高収入」などのフレーズには要注意です。
また、インセンティブ率が明記されていない、トップ営業の年収が公開されていない、研修内容が「OJT中心」としか書かれていない――こうした求人は危険信号。
実際に面接で、「歩合は何%ですか?」「反響数は月何件ですか?」と具体的に質問するのがおすすめです。
曖昧な答えしか返ってこない場合、その会社では“稼げない”可能性が高いです。
稼げる会社を選ぶためのチェックリスト
- インセンティブ率が20%以上あるか
- 広告予算や反響数を開示しているか
- トップ営業の年収が実績ベースで公開されているか
- 成約までの流れが分業化されているか
- チームで成果を出す文化があるか
この5つを満たしていれば、入社後の成長スピードは段違いです。
稼げる営業マンほど「会社選び」よりも“考え方”を重視している
もちろん、どんなに良い会社でも、努力なしでは成果は出ません。
ただ、稼ぐ営業マンほど「会社に合わせて成長する力」を持っています。
たとえば、同じ反響営業でも「反響をどう深掘りするか」「どんなトークで信頼を勝ち取るか」を自分で検証している。
結果が出ないときも、「会社が悪い」と切り捨てず、“改善すべき点”を自分の中に探します。
環境×努力のバランスを取れる人こそ、どこに行っても稼げる営業マンです。
実際の体験談:稼げない会社から転職して人生が変わった話
20代で不動産営業に飛び込んだAさんは、最初の会社で半年間契約ゼロ。
朝から夜まで飛び込み営業、帰社後はロープレ。
精神的にも限界でした。
しかし、反響営業中心の会社に転職したところ、3ヶ月で初契約。
「お客様のほうから問い合わせが来る環境」に変わっただけで、毎日のモチベーションが全く違ったそうです。
今では年収900万円を超え、「同じ不動産営業でも、こんなに違うのか」と驚いていると話します。
このように、環境を変えるだけで劇的に成果が伸びるケースは少なくありません。
まとめ|不動産営業で稼げるかどうかは“会社選びで8割決まる”
不動産営業で年収を上げたいなら、まずは会社を見極めること。
「インセンティブ率」「集客導線」「サポート体制」――この3つを冷静に比較してみましょう。
求人の言葉ではなく、数字と仕組みで判断することがポイントです。
そして、正しい環境で努力すれば、未経験からでも年収1,000万円は十分に目指せます。
どの会社で働くか。
それが、不動産営業として“稼げるかどうか”を決める一番大きな分かれ道なのです。


