不動産売買仲介(住宅メーカー系)のメリット・デメリット!年収は?

不動産業界と一口に言っても、ゼネコン系、銀行系、地場系などさまざまな種類があります。
その中でも住宅メーカー系は、ハウスメーカーの親会社から紹介されるお客様の土地探しがメインの業務となる、少し特殊な立ち位置にあります。
今回は、不動産売買仲介の中でも「住宅メーカー系」にスポットを当ててご紹介します。
- 「住宅メーカー系の仲介って営業が楽って聞くけど、実際はどうなの?」
- 「稼げる?スキルは身につくの?」
そんな疑問を持っている方に向けて、現場目線でリアルに解説していきます。
住宅メーカー系の売買仲介の基本的な仕事内容
親会社の顧客に土地を紹介するのがメイン業務
住宅メーカー系の不動産売買仲介の大きな特徴は、ハウスメーカーが家を建てるための「土地探し」を代行する仕事が中心という点です。
親会社である住宅メーカー(例:セキスイハイムや積水ハウスなど)がお客様と家づくりの商談を進めているなかで、「じゃあ土地はグループ会社に相談してみてくださいね」とバトンが渡される。
そこで登場するのが、住宅メーカー系の不動産仲介会社です。
そのため、集客の大部分が親会社からの紹介となるのが最大の特徴です。
言い換えれば、自分で飛び込みやチラシ配りをして顧客を探す必要がない、というスタイルです。
一般顧客の仲介も一部では存在
会社によっては、親会社からの紹介に加えて、一般顧客に向けた仲介営業も行っているケースもあります。
ただし、広告費や販促活動に消極的な会社も多く、そうなると自社集客はやや難易度が上がる傾向です。
住宅メーカー系に入社する際は、「完全紹介型なのか?一般仲介も扱うのか?」をしっかり確認しておくことが大切です。
住宅メーカー系の不動産売買仲介で働くメリット
営業がとにかく楽。紹介ありきで成約に集中できる
最も大きなメリットは、集客に苦労しにくいという点です。
親会社である住宅メーカーの営業マンがすでに顧客と関係性を築いているため、その流れで土地探しの依頼がスムーズに入ってきます。いわば、最初から購入意欲の高いお客様が紹介される状態です。
そのため、営業難易度は他の仲介スタイルに比べて格段に低く、契約につながる確率も高め。営業初心者にとっては「これほどラクな営業はない」と感じるかもしれません。
また、扱うのは戸建て向けの住宅地が中心で、複雑な事業用地や収益物件などはあまり触れません。
そのぶん、土地取引の基礎知識はしっかり身につくのもメリットです。
デメリット:スキルが偏る、案件の幅が狭い
集客を自分でできるようにはなりにくい
親会社の紹介がある反面、「自分でお客様を獲得する力」が身につきにくいのが住宅メーカー系の弱点です。
不動産営業の基本ともいえる、
といったテクニックは、経験する機会がかなり限られます。
そのため、仮に他社へ転職した場合、ゼロから営業スキルを身につけ直さなければならないリスクがあります。
将来的にキャリアの幅を広げたい方は、意識的に勉強したり、スキルの棚卸しを行っておくことが必要です。
扱える物件の種類が限定的
基本的に営業対象となるのは住宅地(戸建て用の土地)です。
そのため、収益物件、事業用地、大型開発案件といった、より複雑で高単価な不動産の経験は積みにくい環境です。
- 「不動産業界で一通りの経験を積みたい」
- 「将来は独立や投資にも関わりたい」
という方にとっては、少し物足りなさを感じるかもしれません。
年収はどれくらい?住宅メーカー系の報酬事情
住宅メーカー系の不動産仲介会社では、固定給+ボーナス(インセンティブ)という給与体系が一般的です。
固定年収は400万〜500万円程度が相場。営業成績は主に賞与(ボーナス)で反映されます。
インセンティブの目安は、半期売上の5%前後。
たとえば、半年で2000万円の売上を達成すれば、ボーナスは約100万円となります。
年間トータルで見ると、年収レンジは400万〜1000万円前後が現実的です。
なお、一部の会社では一般顧客を自力で集める営業スタイルもあり、そうしたケースでは年収3000万円超えのトップセールスも存在します。
とはいえ、紹介中心の営業スタイルでは、インセンティブ比率はそれほど高くないため、「爆発的に稼ぎたい」という方には少々物足りないかもしれません。
代表的な住宅メーカー系の不動産仲介会社
住宅メーカー系の売買仲介を手がける代表的な企業は以下の通りです。
どちらも大手住宅メーカーの強いブランド力を持ち、顧客からの信頼も厚い企業です。
グループ全体で営業と仲介が連携しているため、営業導線が明確で、成果につながりやすいのも特徴です。
まとめ:住宅メーカー系は「ラクに着実に働きたい人」に向いている
住宅メーカー系の不動産売買仲介会社は、
といったメリットがあり、不動産業界の中ではかなり「働きやすい部類」に入ります。
一方で、
という点は覚えておくべきデメリットです。
がっつり稼ぎたい、地場でバリバリ営業したいという方には向きませんが、「無理なく不動産営業を学びたい」「安定感のある会社で着実に成果を出したい」という方にとっては、非常に魅力的な選択肢になります。
不動産業界への転職を検討中の方は、ぜひ候補のひとつとしてチェックしてみてください。

