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不動産売買仲介と賃貸仲介の違いは?仕事内容・給料まで徹底比較

不動産売買仲介と賃貸仲介の違いは?仕事内容・給料まで徹底比較

不動産業界への転職を考えたとき、「売買仲介」と「賃貸仲介」という2つの選択肢で迷う方は多いと思います。

どちらも“仲介”という言葉がついているので似ているように思えますが、実際の仕事内容や収入、身に付くスキルなどは大きく異なります。

この記事では、不動産業界未経験の方に向けて、売買仲介と賃貸仲介の違いを実務目線で比較していきます。自分に合ったキャリアを選ぶ参考にしてください。

売買仲介と賃貸仲介の仕事内容の違い

まずは、最も大事な仕事内容から。

売買仲介の仕事内容

売買仲介には「売主側」と「買主側」があり、それぞれ役割が異なります。

売主側

  • チラシやWebで反響獲得
  • 物件査定・媒介契約
  • 広告出稿・内見対応
  • 契約書・重要事項説明書の作成
  • 契約・引き渡し

買主側

  • 希望条件のヒアリング
  • 物件紹介・内見同行
  • ローン審査の手続き
  • 調査(法務局・役所など)
  • 売買契約〜決済の立ち会い

基本的に一人の営業マンが、広告から契約・引き渡しまでを一貫して担当するのが特徴です。

業務は多岐にわたり、責任も重くなります。

賃貸仲介の仕事内容

賃貸仲介は、部屋を探しているお客様に物件を紹介するカウンター営業が中心です。

  • Web掲載された物件への問い合わせ対応
  • ヒアリング・提案
  • 内見同行
  • 契約書類の作成
  • 鍵渡し・入居フォロー

バックヤード部門が物件入力や広告作成を担当してくれる会社も多く、営業は接客・提案に集中できる環境です。

売買に比べると、契約単価が小さい分、1日に何組も接客をこなすスタイルになります。

年収の違い:売買は夢がある、賃貸は安定志向

売買仲介の収入

売買仲介は、成果報酬型の営業職。成績次第では年収1,000万円も現実的です。

  • 年収:600〜2,000万円(実力により変動)
  • インセンティブ比率が高い会社も多数
  • 「月に1本(1件)」の契約で100万円超の報酬になることも

夢のある業界ではありますが、結果が出ないと固定給だけになり、精神的プレッシャーは相応に強くなります。

賃貸仲介の収入

賃貸仲介は、契約1件あたりの報酬が低いため、年収は売買に比べ控えめです。

  • 年収:300〜600万円
  • 歩合制度のない会社も多い
  • 「接客数・契約数」が安定すれば堅実に稼げる

薄利多売のビジネスモデルであるため、爆発的に稼ぐのは難しい一方、売上の波が少なく安定しやすい傾向があります。

身につくスキル:不動産知識か、接客力か

売買仲介で得られるスキル

売買仲介は、以下のような専門知識や営業スキルが身につきます。

  • 民法、建築基準法などの法律知識
  • 住宅ローンや税金などの金融知識
  • 契約書作成などの実務スキル
  • クロージング力・ヒアリング力

営業スキルに加えて不動産全般の知識が求められるため、長期的に見てもキャリアの価値が高くなります。

賃貸仲介で得られるスキル

賃貸仲介で磨かれるのは、主に接客スキルやスピード対応力です。

  • 多様な顧客ニーズの把握力
  • 提案・比較のトーク力
  • 内見対応やコミュニケーション力
  • チームプレイの柔軟性

業務の中で高度な不動産知識を求められる場面は少なく、未経験者でも始めやすい理由のひとつです。

未経験者が始めやすいのはどっち?

結論から言うと、「賃貸仲介」のほうが圧倒的に始めやすいです。

  • 基本は来店客の反響営業
  • ノルマがあっても比較的ゆるめ
  • 研修・OJTが整っている会社も多い

一方で売買仲介は、飛び込み営業やチラシ配り、電話営業など、泥臭いスタートになることも多く、プレッシャーや上下関係も強め。

それでも「将来は稼ぎたい」「不動産のプロになりたい」という思いがあるなら、売買仲介を選ぶ価値は十分にあります。

女性の活躍という視点からの違い

賃貸仲介は女性営業も多い

20〜30代の女性が活躍しているのは、圧倒的に賃貸仲介です。

  • 店舗接客型で安心感がある
  • 女性目線の提案が活かされる
  • 私服勤務OKな会社も多い

育休・産休制度や時短勤務を取り入れている会社もあり、ライフスタイルに合わせて長く働ける環境が整ってきています。

売買仲介はまだ男性中心

売買仲介は、ややハードな営業スタイルが残っている業態です。

  • 長時間労働
  • ハードな成果主義
  • 男性中心の社風も根強い

とはいえ、成果を出せば年収1,000万円超えも夢ではない世界。営業としてバリバリやっていきたい女性には、あえて売買仲介を選ぶ人もいます。

まとめ:あなたが“何を求めるか”で選ぼう

比較項目売買仲介賃貸仲介
仕事内容多岐にわたる比較的シンプル
年収高め(600〜2000万円)安定(300〜600万円)
スキル法律・営業スキル接客スキル
始めやすさやや厳しめはじめやすい
女性比率少なめ多い

売買仲介と賃貸仲介は、まったく違う働き方・考え方の世界です。

収入重視・成長重視なら売買仲介。安定や生活とのバランスを重視するなら賃貸仲介。自分が「仕事に何を求めるか」を軸に選ぶと、納得のいく転職ができるはずです。

どちらの道を選んでも、不動産業界での経験は人生の大きな財産になります。ぜひ後悔のないキャリア選択をしてください。

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