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不動産売買仲介は忙しいって本当?実体験から語ります

不動産売買仲介は忙しいって本当?実体験から語ります

不動産売買仲介に転職を考えている方の中には、「実際、営業マンってどれくらい忙しいの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

不動産会社って激務のイメージがありますよね。ですが、実際の現場を経験している立場から言わせてもらうと…

基本、暇です(笑)

もちろん、時期や会社による差はありますが、売買仲介の“本来の業務”に限定すると、やることってそこまで多くないんです。

特に異業種から入ってきた人は、「あれ?思ったより暇じゃん?」と感じるケースが結構あります。

今回はそんな“不動産売買仲介のリアルな忙しさ”について、純粋な仲介業務に焦点を当ててお伝えしていきます。

不動産売買仲介の繁忙期はいつ?

まず大前提として、不動産売買仲介の繁忙期は「1月〜3月」です。

この時期は引越しや転勤シーズンと重なり、物件の動きが活発になります。

ただ、その他の月はゆったりしていることも多く、「忙しさの波が激しい業界」だと捉えるのが正解かもしれません。

不動産売買仲介の仕事はこの3つだけ!

不動産売買仲介の業務は、シンプルに以下の3つに集約されます。

  1. 集客

  2. 接客

  3. 契約

この3本柱さえ押さえておけば、不動産仲介の流れはほぼ理解できます。とはいえ、それぞれの中身は結構細かいので、順番に解説していきます。

集客|営業の生命線、暇なときにやること

集客の具体的な業務

  • 物件探し(元付け・客付け)

  • ポータルサイトへの掲載

  • チラシ作成・ポスティング

  • 折込チラシ手配

  • オープンルーム開催

  • 追客(過去反響の掘り起こし)

売買仲介で一番大事なのは「集客」です。

集客ができなければ、そもそも接客も契約も生まれません。逆に言えば、集客さえ強ければ、成績も安定します。

元付けと客付けの違い

元付け(物元)業者は「売りたい人」を集客する仕事。

チラシや一括査定サイトなどで売却相談を集め、物件の預かりを目指します。

客付け業者は「買いたい人」に物件を紹介する仕事。他社の物件を扱うことも多く、レインズ(不動産業者間の物件共有システム)から情報を仕入れて営業活動をします。

ポータルサイトへの掲載は重要だけど事務作業

「suumo」や「Home’s」などのポータルサイトへの掲載は、ネット経由の反響獲得に不可欠。

ただ、入力作業はルーティンで、パートさんが対応している会社も多いです。

ポスティングや折込チラシは地域差あり

都市部では反響がネットに寄っているため、ポスティングや折込チラシは下火。

一方、地方では今も有効な手段です。

オープンルーム(現地見学会)は、反響を取るために週末に開催することが多く、営業マンが1日現地に張り付くこともあります。

暇なときは追客タイム

土日にアポが入っていない営業マンは、ひたすら過去反響に電話をかけてアポ取りをしていることも。「追客」は暇な営業の常とう業務です。

接客|実際のお客様対応。ここからが腕の見せ所

売却側の接客

売却希望の方への対応では、まず査定書を作成し、お客様のご自宅を訪問。以下のような説明を行います。

  • 査定価格の根拠

  • 媒介契約の種類と説明

  • 売却戦略の提案

媒介契約が取れたら、改めて集客活動に戻る流れです。

購入側の接客

「この物件を見たい」と問い合わせが来たら、現地案内を設定。

1件だけでなく、似た物件もいくつかピックアップして、まとめて案内します。

案内後、反応が良ければ下記のような業務に進みます。

  • 資金計画の作成

  • 住宅ローン仮審査の手配

  • 買付証明書の取得

  • 契約準備

さらにリフォーム希望がある場合は、業者の紹介や見積もり取得、住宅ローンへの組み込みなども対応します。

接客の時間的ボリューム

案内は半日〜1日が一般的。査定や商談も1〜2時間程度です。

数が重なると時間は取られますが、1件ごとのボリュームはそこまで多くありません。

契約・決済|不動産仲介の中で一番神経を使う業務

契約書と重要事項説明書の作成

不動産売買の契約には、「売買契約書」と「重要事項説明書(重説)」の2つの書類が必要です。

作成は原則、売主側(物元業者)が行います。

  • 物件調査(法務局や役所での調査)

  • 書類作成(フォーマットに沿って)

  • 内容チェック(相手業者とのすり合わせ)

契約当日は読み合わせを行い、売主・買主双方の署名・押印をもって契約成立となります。所要時間は2〜3時間です。

決済準備と当日の流れ

契約後、1か月〜2か月後に決済を迎えます。

物元業者は…

  • 抵当権抹消の確認(売主・司法書士との調整)

  • 精算書の作成

  • 鍵や登記関連の段取り

客付け業者は…

  • 住宅ローン本審査のフォロー

  • 金消契約の立ち会い

  • 司法書士・銀行との連携

決済当日は、司法書士が登記手続きを行い、買主が残代金を支払って、鍵を受け取る形で完了します。

ミスが許されないため、最も神経を使うタイミングです。

実際どれくらい忙しいの?3件契約でどんな日々になる?

毎月3件契約が入ると、翌月以降に決済が3件発生します。

つまり…

  • 今月:契約3件

  • 翌月:契約3件+決済3件

  • 翌々月:契約3件+決済3件

…とどんどん業務が並行して増えていくのが、不動産仲介の特徴。

とはいえ、1件あたりの決済準備にかかる時間は、2〜3時間(資料作成や連絡調整など)。

当日は3時間程度なので、物理的な時間拘束はそこまでではありません。

それでも大変なのは「お客様の都合に振り回される」から

不動産営業がハードに感じられる一番の要因は、「時間コントロールが効かないこと」です。

  • 平日夜しか会えないお客様に22時からアポ

  • 土日は案内ラッシュ

  • 接客後の資料送付・お礼連絡・調査対応

これらが複数同時に入ってくると、さすがに毎日残業。契約や決済が重なる月は、業務が一気に膨れ上がります。

営業マンの“やる気”で忙しさは大きく変わる

営業スタイルによっては、暇にもなれば激務にもなります。

やる気満々な人は、契約・決済があってもさらに新規集客に注力しますし、アポがない日はチラシを撒いたり飛び込み営業したりと、休まる暇がありません。

逆に「そこそこでOK」な人は、アポがなければまったりデスクに座って過ごす日もあります。

まとめ|売買仲介は基本“暇”。でも波は激しい

結論として、不動産売買仲介の仕事は…

  • 繁忙期や契約決済が重なる時期は多忙

  • それ以外は集客次第で暇

  • 忙しさは“やる気と会社文化”次第で大きく変わる

特に注意したいのは、「会社によって残業の理由が違う」ことです。

  • 上司の目が気になって帰れない

  • 夜中のポスティングが文化になっている

…など、業務内容とは別の理由で残業が多い会社もまだまだあります。転職を検討する際は、そのあたりも確認しておくのがオススメです。

不動産売買仲介のリアルな働き方、少しでもイメージが湧いたでしょうか?

転職を考えている方の参考になれば幸いです。

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