不動産の反響営業はノルマなしで楽って本当?【経験者が語ります】

不動産会社の求人で「完全反響営業」「反響営業」といった言葉をよく見かけますよね。
テレアポや飛び込みがなさそうな響きに、「反響営業って楽そう」と感じたことがある方もいるのではないでしょうか。
確かに自分からガツガツ営業しなくていいようにも思えますが、実際の現場ではそんなに甘くありません。
今回は、不動産業界における「反響営業」の実態について、仕事内容からノルマ、求められる働き方までリアルに解説していきます。
そもそも反響営業とは?
反響営業とは、ポータルサイトやホームページなどから物件の問い合わせを受け、それに対応する営業スタイルのことです。
いわゆる「お客様が自分で連絡してくれる」仕組みの営業で、新規開拓や飛び込みは基本的にありません。
一見すると楽そうに見えるこの営業スタイルですが、実際には問い合わせをくれたお客様とのやり取りに加えて、その後の「追客」も重要な業務になります。
途中で連絡が取れなくなった場合は、テレアポやメール、訪問などでしっかりフォローしていく必要があります。
ノルマはあるのか?反響営業でも結果が求められる
「反響営業=ノルマがない」というのは誤解です。
多くの不動産会社では明確な売上ノルマが存在しており、達成できなければ当然ながら上司からの指導や詰めもあります。
反響からの成約数が期待されるのはもちろんのこと、月末になって数字が足りなければ、過去の問い合わせ客に対して再度アプローチをかけるのもよくある話です。
つまり、見込み顧客を掘り起こすようなプッシュ型営業と同じような動きも求められるということです。
反響を「待つ」のではなく「取りに行く」
反響営業という言葉から「問い合わせをただ待っていればいい」と思う人もいますが、実際には自分で反響を生み出すための活動も行います。
その代表的な例が「チラシ配布」です。
地域に向けて毎日大量のチラシをポスティングし、そこから反響を得ようとする動きは、不動産会社ではよく見られる光景です。1日で数千枚のチラシを巻くというのも珍しくありません。
チラシ以外にも、物件情報の登録、SNS発信、広告掲載など、問い合わせを増やすための仕掛けを地道に行っていく必要があります。
反響営業=楽というイメージの誤解
「テレアポなし」「ノルマなし」「待っていれば成約できる」といった反響営業のイメージは、多くの場合において間違っています。
実際には、
など、一般的な営業職と大きく変わらない面が多くあります。
ただし、お客様がすでに「物件を探している」という前提で問い合わせをしてくれる分、アポイントが取りやすく、成約に至る可能性が高いという点では、完全な新規開拓よりは効率的と言えるでしょう。
実際に不動産反響営業として働いた経験者のリアルな声
実際に大手不動産会社の反響営業に従事していた方から当時の営業について語っていただきました!
| 年収 | 400万円+歩合 |
| 売却の反響数 | 月に平均5件 |
| 購入の反響数 | 月5件~10件(物件数次第で変動在り) |
| ノルマ | 月最低200万円 |
| つらさ | 売り物件中心の会社だった為、売り物件が無いとかなりつらい |
主な業務内容
※1は先ほど紹介した”反響を取りに行く活動”です。
9万枚チラシ配布して1件成約。
ほぼ休みが無かったため、稼働日30日とし、1日3000枚配布。(1時間での配布量500枚程度の為、一日6時間のチラシ巻き。)
夜もしくは土日でなければチラシを配布しづらいので、毎日17時から23時までチラシ巻き
- 最初はこの活動を重ね、既成顧客を増やし、関連案件や紹介を増やしていく。
- また、買い反響5件中4件はストックされるので、この顧客を別物件で成約していく。
というサイクルです。
上記のようにまともな反響営業ができる環境が整うまで早くて半年です。(この間は地獄です。)
またチラシ巻きは、アルバイトを利用してもよいため、昼間はアルバイト募集のチラシ巻きを行います。
アルバイトが30名位になってくると1日の配布3000枚がアルバイトで何とかなるので、こうなると何もしなくてもよくなります。
ただしアルバイトのメンテナンスは必要です。
結論:不動産反響営業は「楽」ではないが、可能性はある
不動産業界における反響営業は、決して楽な仕事ではありません。
テレアポやノルマがないと思って入社すると、ギャップに驚くことも多いでしょう。
しかし、興味を持って問い合わせてくれたお客様が相手という点では、成約に至るチャンスが高く、やりがいを感じやすいのも事実です。努力次第では高収入も実現可能で、営業としてのスキルも磨かれます。
不動産業界で「反響営業=ラクな道」と勘違いしていると、現実とのギャップに苦しむことになります。しっかりと仕事の実態を理解したうえで、自分に合った環境を選ぶようにしましょう。

