【不動産業界は離職率が高いって本当?】リアルな理由と続けるコツを業界経験者が解説

「不動産業界は離職率が高い」
この言葉、就職や転職を考えている方なら一度は聞いたことがあるかもしれません。
たしかに、“ブラック”とか“キツい”というイメージがつきものです。
でも、実際に現場で働いてみると「思っていたより楽しい」「ちゃんとやれば評価される」と感じる人もいます。
つまり、不動産業界は「向き・不向き」がはっきり出やすい仕事なんです。
今回は、現役で不動産業界に関わってきた経験者の視点から、離職率が高いと言われる理由と、長く続けられる人の特徴・コツをリアルに解説していきます。
不動産業界は本当に離職率が高いの?数字で見るリアルな現状
「離職率が高い」と言われても、どれくらいの人が辞めているのかピンと来ないですよね。
実際、不動産業界は全体的に離職率が高めです。
特に営業職は3年以内に半数近くが辞めてしまうとも言われています。
もちろん、これは“悪い意味”だけではありません。
入れ替わりが激しい分、実力を出せる人がどんどん昇進したり、若いうちから結果を出せる環境があるということでもあります。
意外と知られていませんが、同じ「営業職」でも、住宅販売・賃貸仲介・投資用不動産など、業態によって働き方や離職率には大きな差があります。
不動産営業が「辞めてしまう」主な理由5つ
1. 成果主義のプレッシャーが強い
不動産営業は、契約を取れなければ給料が上がらない「歩合制」の会社も多いです。
数字で評価される分、結果が出ないと焦りや不安が出てくるんですよね。
たとえば3か月連続で契約ゼロが続くと、「このままで大丈夫かな…」と心が折れそうになる人も。
ただ、その分、1件の契約が決まったときの喜びと報酬は本当に大きい。
この“振り幅の激しさ”に慣れられるかどうかが、一つの分かれ目です。
2. 長時間労働と休日の不規則さ
お客様が動くのは“土日”。
そのため、営業マンの多くは平日休みです。
週末に家族や友人と予定を合わせづらく、「生活リズムが合わない」と辞めてしまう人もいます。
また、契約の前後は夜遅くまで資料をまとめたり、お客様対応が続くことも。
ただ、最近では働き方改革やIT化が進み、以前よりは勤務環境が改善されつつあります。
3. 上司・先輩の指導スタイルが合わない
不動産業界は体育会系な文化が残る会社も少なくありません。
「数字を取ってなんぼ」「現場で覚えろ」と言われることもあるでしょう。
ただ一方で、教育体制が整っている企業では、未経験から丁寧に育ててくれる環境もあります。
会社選び次第で、同じ「不動産営業」でもまったく違う働き方になるのです。
4. ノルマに追われて余裕がなくなる
営業は常に数字がつきまといます。
今月の契約目標、反響件数、来店数…。
ノルマを意識しすぎて「お客様のため」ではなく「契約のため」に動いてしまうと、仕事が一気につらくなります。
数字に追われるよりも「結果は後からついてくる」と考えるマインドが大切です。
5. 成果が出るまで時間がかかる
とくに売買仲介は、契約までの期間が長いのが特徴です。
最初の半年~1年は結果が出にくく、頑張っても数字に反映されないことも。
ここで焦ってしまうと、モチベーションが落ちてしまいます。
ただ、地道に経験を積めば、2年目以降に一気に伸びる人も多いのがこの業界の面白いところです。
離職率が高いと言われる“不動産営業の特徴”とは
不動産営業といっても業態によって特徴が違います。
たとえば、賃貸仲介は「回転が早い分、契約数で稼ぐタイプ」。
売買仲介は「1件が大きい分、1件の重みが違う」。
投資用販売は「電話営業や飛び込み」が多く、体力も精神力も必要です。
つまり、「自分がどんな営業をしたいか」によって合う環境はまったく違います。
ここを間違えると「自分には向いてない」と感じてしまいやすいんです。
辞めずに活躍している営業マンは何が違うのか?
辞める人が多い一方で、10年以上第一線で活躍している営業マンもいます。
彼らに共通しているのは、根性でも才能でもなく「考え方の柔軟さ」です。
売れない時期をどう乗り越えるか
どんなに優秀な人でも、“売れない時期”は必ずあります。
そんな時に焦って自分を責めるのではなく、「今は経験を積む時期」と割り切ること。
焦らずお客様に誠実に向き合う人ほど、後から紹介やリピートで成果がついてきます。
数字よりも“信頼”を優先している
短期的な契約よりも、「この人にお願いして良かった」と思われることを大事にしている人ほど長く続きます。
信頼を積み上げることで、紹介営業が増え、安定的に契約を取れるようになるのです。
小さな成功を積み上げていく
いきなりトップセールスを目指すのではなく、「今日は1件新規対応を増やす」「お客様に1つ感謝される」を目標にする。
この“小さな達成”を積み重ねていく人は、メンタルが安定しやすく続けやすい傾向があります。
不動産営業を“続けられる人”に共通する3つの思考
1. 行動を「数値化」して自分をコントロールしている
「今日は何件架電した」「何人に会った」と行動を数字で管理する。
これを習慣化できる人は、波が少なく成果が安定します。
2. 結果よりも「学び」に注目している
契約できなかったとき、「ダメだった」で終わる人と、「なぜダメだったか」を考える人。
この差が1年後の成長に大きく影響します。
3. “誰のために売るか”を常に意識している
「自分のため」だけで動くと息切れします。
「お客様に喜んでもらうため」「家族のため」と目的を明確にしておくと、ブレずに続けられるんです。
離職を防ぐための“職場選び”と“働き方”のポイント
ブラックを避けるための求人チェックポイント
「やる気があれば稼げます!」だけを強調している求人は要注意。
教育体制やサポート環境が整っているかどうかをチェックしましょう。
面接では「新人が最初の3か月でやること」や「教育担当がいるか」を聞いておくのもおすすめです。
固定給+インセンティブのバランスを見る
完全歩合制は夢がありますが、安定感は低いです。
固定給+歩合の会社の方が、精神的にも続けやすい傾向があります。
上司やチームの雰囲気を見極める
営業職は、職場の人間関係がパフォーマンスに直結します。
面接の雰囲気がギスギスしている会社は避けた方が無難です。
もし辞めたくなったら?冷静に考えるべき3つのこと
- 「会社が合わない」のか、「仕事自体が合わない」のかを整理する
- 一時的なスランプなら、まずは上司や同僚に相談してみる
- 環境を変えるだけで続けられるケースも多い
実際、「前職の雰囲気が合わなかったけど、転職したら続けられた」という人も多いです。
“辞める=逃げ”ではなく、“続けるための選択”と考えていいと思います。
業界経験者が語る「不動産営業を続けるコツ」
・結果に一喜一憂しすぎない
・1人で抱え込まずに相談する
・お客様に「ありがとう」と言われる瞬間を大事にする
正直なところ、営業は楽ではありません。
でも、「この人が担当でよかった」と言われた瞬間、それまでの苦労がすべて報われます。
その“人とのつながり”こそが、この仕事の一番のやりがいです。
まとめ|不動産業界は厳しいけれど、チャンスも多い世界
不動産業界は、確かに離職率が高い仕事です。
しかしそれは、「挑戦する人が多い業界」だからこそ。
厳しい一方で、努力がきちんと報われる珍しい世界でもあります。
地道に行動し、学びを積み重ね、お客様の信頼を得られれば、確実に結果はついてきます。
不動産営業は、“数字”だけの仕事ではなく、“人の人生に関わる仕事”。
簡単ではないけれど、だからこそ続ける価値があります。
もし今、不安を感じているなら、それは成長の前ぶれかもしれません。
焦らず、自分のペースで一歩ずつ積み上げていけば、必ず道は開けます。
