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不動産営業のキャリアプランはどんなものがある?【6パターン紹介】

不動産営業のキャリアプランはどんなものがある?【6パターン紹介】

こんにちは、ミカタ株式会社の荒川です。

不動産業界で働いていると、周囲の人たちがどんどん転職していくのを目にします。

私自身も中堅デベロッパー、大手仲介会社、そしてフルコミッションの売買仲介と、複数の会社を渡り歩いてきましたが、どこに行っても「残る人より辞める人の方が多い」というのがこの業界の特徴です。

もちろん、すべての人が「不動産に嫌気がさして辞めた」というわけではありません。

むしろ、不動産営業で培ったスキルを武器に、次のステップへ進んでいる人もたくさんいます。

今回は、そんな不動産営業経験者が歩むキャリアプランについて、実体験をもとに6つの代表的な進路をご紹介します。

不動産営業のキャリアパターンは大きく6つ

私が見てきた限り、不動産営業のキャリアは主に以下の6つに分かれます。

  1. 異業種への転職
  2. より高歩合の会社への転職
  3. 独立した上司についていく
  4. 他社からの引き抜き
  5. 社内での昇進を目指す
  6. 自分で独立・開業する

それぞれ詳しく解説していきます。

1. 異業種への転職

もっともよく見るパターンが「業界そのものから離れる」ケースです。

特に入社から数年以内の若手に多く、理由の多くは「数字に追われる働き方が合わなかった」というもの。

不動産営業は実力主義で、成果が出せなければ評価も低く、プレッシャーも大きい仕事。

その分、向いていないと感じる人は早めに見切りをつけて異業種に転職します。

ただし、これは決して「逃げ」ではありません。私の知人にも、広告業界やIT業界に転職し、その後ものすごい活躍をしている人がたくさんいます。

最近では不動産営業の実務経験を活かし、不動産テック(PropTech)企業に転職する人も増えています。

営業経験と業界知識がある人材は、プロダクト開発やカスタマーサクセス部門で重宝される傾向にあります。

2. より高歩合の会社へ転職

営業として自信がついてくると、「もっと稼げる環境に行きたい」と考えるのは自然な流れです。

実際、不動産会社によって歩合率はかなり差があります。

20%の会社もあれば、50%を超えるフルコミッション制の会社もあります。

同じ仕事であれば、インセンティブが高い方が良いと思うのは当然でしょう。

ただ、ここで注意したいのは「大手から中小への転職」です。

大手ブランドの看板があったからこそ取れていたアポイントや信頼が、なくなることで急に営業が難しくなる…というのはよくある話です。

荒川
ミカタ不動産転職

「自分の力」でどれだけ売れていたのか、転職前に一度冷静に分析することをおすすめします。

3. 独立した上司についていく

次によくあるのが、尊敬していた上司が独立するタイミングで一緒に新会社に参画するケースです。

立ち上げメンバーとして期待され、より近い距離で経営に関われるチャンスでもあります。

ただし、注意点もあります。

上司が経営者になった瞬間、見るものは数字と資金繰りになります。

これまでのようにフラットな関係ではいられないこともありますし、売上や歩合に関する条件で揉めるケースも少なくありません。

感情だけで決断せず、しっかり契約条件を確認し、納得したうえで決断しましょう。

4. 他社から引き抜かれる

意外と多いのが、共同仲介や取引を通じて他社から声をかけられるパターンです。

特に部長や役員クラスの人と関わると「うちに来ないか?」と食事の場で打診されることも。能力を買われてのオファーは嬉しいものですし、今の職場より好条件である可能性もあります。

ただし、ここでも一つ注意点があります。

ライバル会社に転職することになると、前職の会社とトラブルになりやすいです。

エリアや案件の奪い合いなどで、しこりが残るケースもあるため、退職時はしっかりと筋を通し、礼節をもって円満に辞めることが何より大切です。

5. 社内での昇進を目指す

会社に残って出世していくという選択肢もあります。

…が、正直なところ、不動産業界でこれを目指す人は少ないです。

その理由は、「昇進しても給料が減ることがある」から。歩合制が中心の不動産会社では、管理職になると歩合がなくなり、固定給のみになるケースも。プレイヤー時代より年収が下がるのは正直きついですよね。

一方で、「プレイングマネージャー」であれば話は別です。部下を持ちつつ、自分でも営業して成果を出せば、役職手当+インセンティブという形で高収入も目指せます。

社内に尊敬できる上司や、長く勤めたい会社があるのであれば、このルートを選ぶのも十分アリです。

6. 独立して不動産会社を開業

最後は、自分で会社を立ち上げる「独立・起業」の道です。

これは不動産営業マンにとって、ひとつのゴールでもあります。「社長」として自由に戦略を立て、頑張った分だけリターンがあるのはやりがいにもつながります。

荒川
ミカタ不動産転職

実際、私の周りにも独立して年収数千万円を稼いでいる人が何人もいます。

とはいえ、独立は簡単な道ではありません。営業として優秀だった人でも、経理や契約、集客、マネジメント…といった“社長の仕事”に苦しみ、うまくいかないケースもあります。

また、不動産業界は独立開業の多い世界。

ライバルが多く、ちょっとやそっとでは生き残れません。

成功している人ほど、「独立前に業界の横のつながりを作っておいた」と口を揃えて言います。

キャリア形成で一番の失敗は「何も得られなかったこと」

ここまで6つのキャリアパターンをご紹介してきましたが、どれが正解・不正解というわけではありません。

重要なのは、不動産営業を経験する中で何を学び、どう次に活かすかです。

正直、私自身も「もう無理だ…」と思った時期は何度もありました。毎日数字に追われ、休みもなく、時には理不尽に怒られる。そんな日々の中で、確実に「営業力」「思考力」「数字への意識」が身についたと思っています。

不動産営業ほど、精神的にも肉体的にも鍛えられる職種はありません。

だからこそ、「やるからには何か得よう」という気持ちで日々の業務に向き合ってほしいと思います。

まとめ|不動産営業のキャリアは多様。自分の道を選ぼう

不動産業界は「一つの会社に一生勤める」という文化はほぼありません。

だからこそ、転職や独立といったターニングポイントが何度か訪れます。

そのときに、「自分は何がしたいのか」「どこに向かいたいのか」が明確であれば、どんな道も“正解”になります。

ただし、どんな道を選ぶにせよ、辞め方・動き方を間違えるとその後に悪影響が出るのもこの業界の特徴です。

不動産業界は意外と狭く、噂がすぐに広まります。

筋を通して、人との縁を大切にしながら、自分にとって最適なキャリアを選んでいきましょう。

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